手の鳴る方へ

薄暗い部屋で失われた概念
痛みもおそれも悲しみも無い空間で私は折り紙によって補完される

七つ星の残り香と甘たるいアルコール
咥え込んだ欲に意識が白んだ
火酒でひりつく咽喉の奥、馴染む液体
感情に濡れた身体が希う
「お願い、」

痕を付けて、付けられて
互いが流した赤い約束
どこか寂しさの滲むそれを舐め取りながら未来を思う
求めるつもりなど無かった、未来を

「ずっと一緒に居て」
「ずっと一緒に居ようね」

 

(倒錯した私の熱を奪う、うつくしい名前)