偏愛の温度

空席の数だけ空いた穴
微かな残響と古びた余白、消失した可能性

少年少女の仕掛けた罠を鮮やかに蹂躙する赤色
青年たちはその様を眺め密かにほくそ笑む
「ご覧、かみさまの欠伸に翻弄されている」

電波塔に踊る人影
真夜中の歌で言葉に滲む欺瞞を中和する
此岸の総てはでたらめだと嘯くきみに、ならば私は彼岸の花を捧げよう
いつか訪れる我々の巫山戯た死のために