2018-01-01から1年間の記事一覧

手の鳴る方へ

薄暗い部屋で失われた概念痛みもおそれも悲しみも無い空間で私は折り紙によって補完される 七つ星の残り香と甘たるいアルコール咥え込んだ欲に意識が白んだ火酒でひりつく咽喉の奥、馴染む液体感情に濡れた身体が希う「お願い、」 痕を付けて、付けられて互…

偏愛の温度

空席の数だけ空いた穴微かな残響と古びた余白、消失した可能性 少年少女の仕掛けた罠を鮮やかに蹂躙する赤色青年たちはその様を眺め密かにほくそ笑む「ご覧、かみさまの欠伸に翻弄されている」 電波塔に踊る人影真夜中の歌で言葉に滲む欺瞞を中和する此岸の…

Linus

胡乱のスープを泳ぎ泳いで打ち上げられたその先は安心毛布の中だったという話 真面ではないだろういくら私でもそれくらいは解っているけれど、そもそも私は真面ではないから 私が択んだ君が択んだどっちだっていい我々は、だから、共犯関係にある皮膚一枚隔…

さまよう

私は幸せだよ

非日常

一眠りして起きてあれは全部夢だったのではないだろうかと通話履歴を確認したらちゃんと名前が残っていてああもう、こんなに動揺するなんてな

雪の都に滲みる雨

一周回ってミクシィとかどうなんだろう三人いるマイミクのうち二人(厳密には一人)はこのサービスの存在を忘れていそうだしもう一人は四年前に病死したし、で、もう誰もいない、あれだけ賑やかだった各コミュニティも今は殆ど人気がない様子、生きている人…

瑕疵に手向ける

岡惚れとラインについての話を半時間弱別に好きでいるだけなら構わないだろうと言うと朴念仁、「想ってること自体邪な気がするんだよ」真面目に答えるそう思うのなら止せばいい、と言いかけて、そんなに単純な問題でもないかと思い直した色恋は一種の病気だ…

あれそれこれどれ(も)

友人とピクニックの日私のつくった卵のサンドイッチと友人のつくったお弁当で昼食、おかずはどれも美味しくこれを毎日食べられる彼女の恋人は幸せ者だ としみじみお菓子は満腹で食べられなかったが酒はきちんと胃におさめた柿の木の下に寝転んで逆転した天と…

鎮める仕事

先日みた娼婦の夢、おそらくメビウス*1が基になっているのだが、何かこう納得がいかない、夢の神は何故メビウスなど持ち出したのか映画を下に敷くにしたってもっと他にあるだろう…同じ不穏でも嗤う分身とかさ、そういうの 夢で思い出したけど娼館の夢をみた…

その虚ろ

うらぶれた娼館の待合で私は金髪の自称生娘と長い話をしている。舞踏室と呼ばれる部屋に連絡する通路を行きつ戻りつする娼婦たちとその部屋に入ったきり出てこない男たち、燈る洋灯がちらちらと翳るのを見て金髪、あやしく嗤い「ねえさんがたは容赦がなくて…

ゆるり儚む一瞬を

改行問題だけでなく投稿エラーも頻発するようになったので別の用途で使うつもりだったはてなブログを雑記帳として使うことにしたダイアリーも終了することだし慣れておくにはいい機会かと…ああだけどやっぱりダイアリーがなくなるのはいやだな、いやだと言っ…

診断まとめ

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消失に潜む

誰かの失われた記憶のなかに私は立っている。其処は煤けたマンションの一室で、襤褸の赤錆色のソファと傷だらけの机と背凭れの壊れた回転椅子、簡素で古びた本棚があるだけのごくささやかな部屋で、住人の気配や匂いといったものは特に感じられない。時折き…